サラサラ髪の秘訣は洗髪後の乾燥方法にあり!?~潜入!都産技研~
こんにちは。都産技研広報担当です。
都産技研ではどんな人がどんな研究をしているのか、実際に広報担当が潜入して確かめる「潜入!都産技研」。今回のテーマは「ヘルスケア」。化粧品などのヘルスケア製品の開発をサポートするSUSCARE®(サスケア)に広報担当が潜入しましたので、その様子をマスコットキャラクターの「チリン®」と一緒にレポートしていきます!
ヘルスケア産業支援室 SUSCARE®(サスケア)に、いざ潜入!
都産技研が2020年に新設したヘルスケア産業支援室 SUSCARE®(サスケア)には、化粧品などの製品分析・評価に活用できる機器がそろっています。
取材に対応してくださったのは兼本研究員。化粧品開発分野の経験が豊富なエキスパートです。
髪の毛のクシ通りや表面のなめらかさが測れる装置
これは何をする機械ですか?
兼本「毛髪多目的試験機といって、毛束のクシ通り、毛束表面のなめらかさを測定できる装置です。クシ通り試験ではこんな風に毛束をセットして機械を動かすことで、クシにかかる荷重を測定することができます」
広報担当「ダメージの大きい私の髪も、測ってみたい・・・!」
試しに乾燥した毛束のサンプルを測定してみました。
兼本「今とれたのがこのデータですね。濃い青線がダメージ処理をした毛束、薄い青線が何もしていない毛束の測定データです。グラフの縦軸は、クシにかかる力(荷重)を、横軸はクシを通した距離を表しています(左が根元側右が毛先側)濃い青線は常に薄い青線を上回っており、ダメージをうけた毛髪はクシ通りが悪いことがわかります。」
毛先でクシが引っかかるの、すごく身に覚えがありますね……。そんな日常の“あるある”が、こんなグラフで表現できるとは!
兼本「ヘアケア製品の効果は、人によって感じ方が異なります。でもこうして数値化すれば、効果を客観的に、わかりやすく表せるんですね。たとえば“髪をなめらかにする”というヘアケア製品があったとき、使用前後のデータを比較すれば、その特徴を数値で示すことができるわけです」
なるほど。「このシャンプー、髪が100倍なめらかになるよ!」と言われると「本当かなぁ?」となりますが、しっかり計測すれば「1.8倍なめらかになる」みたいなことがわかるんですね。データって大事です。
シャンプー後の乾かし方、どっちがいいのか検証してみた!
今回はこの毛髪多目的試験機を使って、とある検証を行ってみました。
お風呂の後、濡れた髪をそのまま放置するのはNG、と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
実際に、シャンプー後の乾かし方によって髪のなめらかさはどれくらい違うのか、
タオルドライ
ドライヤー温風+冷風
それぞれの方法で乾かした毛束の摩擦係数のデータを計測してもらいました。
サンプルの毛束を40度の洗浄液に2時間浸漬し、37℃の流水で洗浄液を洗い流した後にそれぞれの方法で乾かしていきます。
サンプルの毛束を洗浄液に浸していくのをワクワクとした気持ちで見つめます・・・!
実験の様子は、次の動画で見ることもできますよ…!
摩擦係数を比較してみた結果がこちら!
このグラフでは、タオルドライとドライヤーで乾燥(温風+冷風)した場合それぞれの毛髪の表面の状態が、洗浄前と洗浄後とでどう変わっているかを表しています。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
左の「タオルドライ」は、洗浄前と洗浄後で毛束の摩擦係数に差があり、洗浄後の摩擦係数のほうが高くなっています。一方、右の「ドライヤー温風+冷風」は、洗浄前と洗浄後でほとんど差がありません。これはつまり……?
兼本「タオルドライだけで済ませてしまうと、洗浄後の摩擦係数が高い=毛髪の表面が荒れている、ということになります。表面が荒れれば、手触りも悪くなってしまうんですね。逆に、ドライヤーで丁寧に乾かしたほうが、表面のなめらかさは変わらず、手触りのよい髪質を保つことができるのです」
1回乾かしただけでは、ほんのちょっとの差かもしれません。でも、これを毎日繰り返せばどんどん毛髪にダメージが……!
お風呂上りに、髪を乾かすのがつい面倒でタオルドライで済ませてしまうことが多々ありますが・・・髪にとっては良くないんですね!これからはちゃんとドライヤーを使って、乾かします!
では、最後に、SUSCARE®のアピールをお願いします。
兼本「ものは使いようと言いますか、さまざまな試験装置がそろっていますので、固定観念にとらわれず、いろいろな使い方で新たな評価系を模索する場としてもご活用いただければ、と思います」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「潜入!都産技研」コーナーでは、今後も都産技研ならではの装置や個性豊かな研究員を紹介していきます。ぜひお楽しみに!
SUSCARE®をもっと知りたい方へ
今回の毛髪多目的試験機やSUSUCARE®で保有している装置、装置を活用した研究事例などは、都産技研の広報メディア『TIRI NEWS』で詳しくご紹介しています。
SUSCARE®の機器をご利用になる際には、専門の研究員が使用方法などを丁寧に説明します。ヘルスケア分野に携わっている方々だけでなく、これから参入しようと検討されている方もぜひお気軽にお問い合わせください!